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ウェルビーイング

今注目のウェルビーイングって何?キホンを徹底解説

最近、「ウェルビーイング」という言葉をよく耳にするようになったけれど、どんなことかイマイチ分からない、という方もいるのではないでしょうか。
ウェルビーイングは、女性がいきいきとしたライフスタイルを過ごすために大切で、これからの仕事や働き方にも繋がる考え方です。
このページでは、ウェルビーイングとは何かについて基礎知識を交えながら、注目される理由やビジネスでウェルビーイングを取り入れるメリットについて解説していきます。
これを機にウェルビーイングに対する理解を深めて、ぜひライフスタイルに取り入れてみてください。

ウェルビーイング(well-being)とは

ウェルビーイングとは、英語で「Well-being」と書きます。
直訳すると幸福や健康をあらわし、身体的、精神的、社会的に良い状態にあることを意味します。
ウェルビーイングの定義としてよく引用されるのが、1951年に交付された世界保健機関(WHO)憲章の前文です。

世界保健機関(WHO)では、「健康とは、病気や病弱が存在しないということではなく、肉体的にも精神的にも完全で、人種や宗教、政治的信念、経済的などの社会的条件の差別なしに、すべての人が満たされた状態にあること」とされています。

働き方によるメンタルヘルスの不調や、過労死などが社会的な問題になっている昨今、仕事における成果や生産性以外にも、1人ひとりが心身ともに満たされる状態を実現することが大切である、という考え方が注目されるようになりました。

よって、社会から見て、個々が心身ともに健康で幸せな状態を目指すのが、ウェルビーイングの基本的な考え方です。

ウェルビーイングに似た言葉に「ウェルフェア」がありますが、これは福祉や福利と認識され、ビジネスでの福利厚生のようなニュアンスで使います。
ウェルフェアは幸福を実現するための方法、ウェルビーイングは「目的そのもの」として用いられることが多いです。

そもそもウェルビーイングは、医療現場や看護現場、介護、社会福祉などの世界でよく使われる言葉でした。
それが最近では、働き方改革やSDGsの観点から、それ以外の場面やビジネスの場でも使われるようになってきています。

ウェルビーイングが注目される理由

ウェルビーイングは、少子高齢化による人材不足や働き方改革に加え、世界的なSDGsへの取り組みからも注目されるようになっています。
具体的な理由として、以下のようなことが挙げられます。

ダイバーシティへの取り組み

ウェルビーイングが注目されるようになった大きな理由のひとつに、価値観の多様化が挙げられます。グローバル化が進み、性別や人種、国籍、宗教、文化など、さまざまなバックグラウンドを持つ人が集まるようになりました。
このようなバックグラウンドにとらわれない考え方をしよう、多様性を認める社会になろうという取り組みから、社会的なウェルビーイングが必要とされています。

人材確保

国内の少子高齢化が進み、労働力人口が年々減少しています。
今や終身雇用という概念はなくなり、若者を中心に自分の価値観に合った組織に転職することは当たり前となりました。
企業は、これまで以上に事業に貢献する人材の確保が課題となってきます。
そのため、企業の利益だけでなく、従業員自身やその家族に対する幸福を追求する姿勢を明確にする必要が出てきました。
従業員の帰属意識やロイヤリティを高めることが人材確保や定着率向上に繋がるという考えから、ウェルビーイングを提唱する企業が増えてきています。

SDGsでの言及

2030年までの国際的な目標「持続可能な開発目標:SDGs」が採択され、行政や企業を中心に、世界中で目標達成への取り組みがされるようになりました。
目標のひとつに「Good Health and Well-Being」が掲げられている背景も、ウェルビーイングの注目度に大きく関わっています。
社会的な健康のために、社会的弱者のみを対象とした従来の福祉や援助の観点を変えて、予防や促進、啓発といった、すべての人に対するソーシャルサービスの構築へ転換しようといった動きもはじまっています。

ウェルビーイングの5つの構成要素

ウェルビーイングは、「ポジティブな感情」「エンゲージメント・没頭」「人との関係性」「人生の意義・目的」「達成」の5つの要素で構成されており、頭文字をとって「PERMA」と呼ばれます。
これらは、単体でウェルビーイングが成り立つのではありません。
人生においては、これら5つの最大化を追求することが大切と考えられています。

ポジティブな感情:Positive Emotions

ウェルビーイングの1つめが、楽しい、嬉しい、心地よい、ぬくもりといったポジティブな感情です。
人生の満足度合いを含む主体的なウェルビーイングをあらわしています。

エンゲージメント・没頭:Engagement

エンゲージメントとは、振り返ってみると時が止まっているように感じるほど物事に完全に没頭している状態を指します。いわゆる「ゾーン」に入る、フロー状態と言い換えることもできます。
何かに没頭している時間は、思考や感情は存在しない代わりに、振り返ったとき「良かった」と感じることができます。
エンゲージメント感情を重視することで、充実した人生を送ることに繋がります。

他者との関係性:Relationships

リレーションシップとは、他者との良好な関係性を示しています。
人生において起こる素晴らしいことは、他者が関係するものです。前向きに人と関わり、人を頼れる存在として認識できるようなポジティブな人間関係を構築することは、人生を謳歌するための重要な要素とされています。

人生の意義・目的:Meaning

人生の意義や目的とは、自分よりもスケールの大きいと信じる存在や使命の存在を信じ、それに仕えることや、人生が何のためにあるかを考えることそのものを指します。
物事や自分のまわりで起こることには何らかの意味や意義があると考えることで、有意義な人生を送ることに繋がります。

達成:Accomplishments

人生において何かを成し遂げることも、満足度の高い人生を送る上で重要な要素です。これは、例えばお金を稼ぐことなどの一時的な達成も含まれます。
何かを成し遂げるために自分が行動したり没頭したりすると、心地よさや達成感を得ることにも繋がりますし、ポジティブな感情も得られます。

ギャラップ社が定義したウェルビーイング5指標

世論調査やコンサルティングを行っているアメリカの「ギャラップ社」は世界150カ国で調査を行い、PERMAとは違う新たな指標を導き出しました。
ウェルビーイングの実現において、以下の5つが達成されているかも重要であると考えられています。

キャリア ウェルビーイング:Career Wellbeing

キャリアウェルビーイングとは、総合的なキャリアの幸福度です。
ここで言うキャリアとは、生計を立てるための仕事に限らず、奉仕活動や育児、勉学など、私生活で1日の大半を費やして継続していることが含まれます。

ソーシャル ウェルビーイング:Social Wellbeing

人間関係に関する幸福度です。家族や友人はもちろん、職場の同僚や上司・部下など自分を取り巻く人々と、信頼関係を結べているか、広い交友関係や愛情深い関係を築けているかが大切です。

フィナンシャル ウェルビーイング:Financial Wellbeing

安心して満足する暮らしができるよう、安定した収入を得ているか、資産を確保しているかなどの経済的な幸福度を指します。

フィジカル ウェルビーイング:Physical Wellbeing

フィジカル ウェルビーイングとは、心身に関する幸福度です。自分がやるべきことや「したい」と思ったとことを不自由なく行うエネルギーがあるか、仕事へのやりがいや前向きな気持ちで日々を過ごせているか、といった健康状態が指標となります。

コミュニティ ウェルビーイング:Community Wellbeing

地域社会と深く関わっている感覚やつながりを感じているかを表すのが、コミュニティウェルビーイングです。また、学校や会社、部署など、自分が属するコミュニティとの繋がりも含まれています。

個々が考えるなら主観的ウェルビーイング

ウェルビーイングには主観的なものと客観的なものがあります。
個人それぞれが人生の幸福度や満足度を追求するなら主観的ウェルビーイングを考えるべきです。

一方、客観的ウェルビーイングは健康寿命やGDPなどの社会的な数値で測るもので、企業や団体が「どれだけウェルビーイングを実現したか」を知るために重要となります。

人々の主観的ウェルビーイングが低下すると政治や社会が混乱してきた過去の歴史から、今後は主観的ウェルビーイングを高めることが大切と分かってきました。

主観的ウェルビーイングを高めるには、自分が「幸せ」「満足」「充実している」と感じるために何をするかが大切です。
ふだんの生活のなかで、小さなことでも「幸せだ」と感じられることを見つけたり、自分の人生の目的を考え直したりしてみましょう。
また、仕事において主観的ウェルビーイングを高めるには、チームのウェルビーイング度を上げる、チームに属する「人それぞれの幸せ」に加え「所属する幸せ」や「認められる幸せ」について考えることも大切です。
ウェルビーイングに取り組むなら、常に主観的であるかを意識するようにしましょう。

ビジネスにおけるウェルビーイング

ビジネスの場面でウェルビーイングを導入すると、以下のようなメリットを得られます。
チームのエンゲージメント向上や自分自身のウェルビーイングのために、これから積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

健康的な状態を維持できる

企業全体でウェルビーイングに取り組むと、従業員が心身ともに健康的な状態を維持できるようになります。
企業に見守られながら働いているという安心感が、離職防止や定着率向上にもつながるでしょう。

人間関係が改善される

1日の大半を過ごすことになる職場での人間関係は、個々のウェルビーイングにおいて重要です。人間関係によるストレスは、メンタルヘルスにも大きく影響しますし、心身ともに健康で過ごせるかどうかにも深く関わります。
ウェルビーイングに取り組むと人間関係を改善できることから、企業全体で積極的に導入する会社も増えてきています。